先日学科のクラスメイトと宅飲みをした。それ自体は大して面白くなかったのだが、この飲みで一つ面白い情報を聞くことが出来た。
私は医療系の学生なので病院で実習をする必要がある。病院内の様々な科をまわって話を聞いたり、そして事前に指示された課題をこなしてその答え合わせをしたり、ということをしていた。その中でとある科(以下A科)での実習があった。予定は詰まっているので、私達の班がA科での実習を終了した直後に別の班も引き続きA科の実習を行った。つまり、A科の担当者は私の班に様々な実習を指導した後、後続の班を指導した。この後続の班に飲み会のメンバーが参加していたのだ。そして、そのメンバー曰く「病院実習なのに男であんなに髪を延ばしているのは常識を疑う。気持ち悪いので病院に来て欲しくない。」という言葉をご丁寧にも直々に聞いたという。
この学科で長髪の男性は私だけである。これを聞いたときにまず私は笑ってしまった。私が属する学科は病院への就職を強制されていない。事実私は病院以外への就職を視野に入れて研究を進めている。実習の規則では「長髪の場合はヘアゴムで縛ること」と書かれているので私はそれに従っただけなのに、私が「男性で長髪である」ことが気に入らなかったらしい。何よりも面白いのが「本人がいない所を選んで」指導したという事実である。つまり、私にこの指導を直接せず、私に伝わることがない可能性も考慮できる方法で言ったということ。何故この担当者は私に直接指導しなかったのか?これは推測だが、そもそもこの行為を指導と認識せず、他の生徒への「愚痴」、もっと曲解して捕らえるならば「陰口」としたのかもしれない。
面白い。人間とは実に愚かで面白い。この周辺地域で一番の規模を誇る病院でさえ、このように陰口を言うことしか出来ない人間が働いている。私は大人という存在を過信していた。大人は良識的な視点を持ち、批判するときは本人に直接訴えかけると思っていた。そうか、大人もそこらの餓鬼と同様に己の劣った主観で人を貶しているのだ。
この担当者は若い女性だった。だから何、という訳ではないが実に面白い出来事だった。人間ごときが他人の容姿を貶す資格があるというのか。なるほど、大抵の人間は本人に直接貶す勇気が無いからこうやって影で人を貶しているのか。無様である。