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私はスプラトゥーン2を楽しめたのか?

 前作スプラトゥーンとの出会いは確か2015年だった。その頃は戦術もへったくれも無く、只塗っていれば楽しめたように記憶している。ガチマッチに潜るようになってからは勝つための定石をそれなりに学び、ストレスを多少溜めつつもじわりじわりと昇格してゆく喜びを感じていた。

さて時は流れ、2017年にスプラトゥーン2が発売。私は当時受験生だったので実際にプレイを始めたのはその翌年となる。前作の経験があるとはいえ、オールXを達成するまでに650時間を費やした。今作のプレイ時間は前作よりも200時間少なく、現時点で1000時間程度である。これだけプレイすればスプラトゥーン2に対して抱いた感想がそれなりに蓄積するのだ。それを吐き出すためにこれを書いている。では始めよう。

 

1.初体験のチームPvP
2.するべきことが多すぎる
3.不公平なメイン性能アップ
4.まとめ

 

1.初体験のチームPvP

まずはこのページにある、コンシュマゲーにおける国内のミリオンセラータイトルを見て欲しい。

ミリオンセラーのゲームソフト一覧 - Wikipedia

任天堂のタイトルは幾つもあるが、この中に「チームを組むPvP(以下チームPvP)」である任天堂のタイトルがどれだけあるのか。見れば分かる通り、スプラトゥーンスプラトゥーン2以外に無い。勿論ミリオンセラーという条件を外せば該当するタイトルも存在すると思う。ちなみに任天堂の公式サイトでWiiまでのタイトル全てを確認したが、任天堂がリリースしているチームPvPスプラトゥーン以外に見つからなかった。ここで注目しておくべきなのは、小学生などの低年齢層やコアではないゲーマーにとってスプラトゥーンが初めてのチームPvPとなっていることだ。1対1対戦のタイトルならばスマブラを始め結構な数が存在する。けれども個人戦とチーム戦が同じ勝負事だとしても全く異なる性質を持っていることは理解して頂けるだろう。つまりスプラトゥーンを始めたカジュアルプレイヤーとは、ルールは分からないけれど野球、サッカー、バスケを始めた少年少女と同じ境遇なのだ。そんなユーザーに「塗れば勝てるよ」「キルすれば勝てるよ」と教えるのは「打てば勝てるよ」「パスすれば勝てるよ」「シュートすれば勝てるよ」と教えるようなもの。教えるべきなのは寧ろ「塗る、倒す状況」であり、つまるところ「今すべきこと」なのだが、これが厄介なのだ。


2.すべきことが多すぎる

それでは「今すべきこと」とは一体何か?この問いには膨大な選択肢が存在する。目の前の敵を倒す、スペシャルを使う、塗ってスペシャルをためる、特定の位置を監視する、前線を維持する、後退する、いくらでも選択肢はある。これらの選択を試合中は常に行わなければならない。3秒行動したら次にすべきことが現れ、その選択を終えるとすぐさま新しい選択肢が・・・という具合に延々とこれが続く。しかもこの選択肢、自身のブキはもちろん味方や敵の編成によっても変化する。文字通り無限大の選択肢から数少ない正解を瞬時に判断する必要があるのだ。この選択肢の正解が自身の行動を理解するだけで導けるのなら楽ではあるが、これらの選択肢のうちどれが正解になるかは味方の動きも理解する必要がある。これほど複雑な思考を試合中に行うのはとても難しい。私は結局これを理解出来なかった。それ故に何故今の試合に勝った、負けたか分からないということもしばしばあった。

なら、せめて味方とコミュニケーションを取って指示を出したいところだが、スプラトゥーン2では味方に指示を出すことがほぼ不可能なのだ。それどころか地点をスポットすることも出来ない。助けて欲しい時に「カモン!」、裏取りでキルされた時に「やられた」と十字キーを連打するだけ。「ナイス!」は、まぁ適当な時に使えば良いと思う。十字キーの左右でも指示が出せるようにして欲しかった。こんな貧弱なコミュニケーションで我々はガチアサリを投げ込んでいたのだ。次回作が出るのならこの辺りを改善して欲しい。

無限大の選択肢から正解を導き出す必要があるのに、そのために必要なコミュニケーションすらとれない。上位勢ならお互いの動きを理解したうえで動くことも出来るだろうが、それはユーザーの中でも数%いるかどうか。大多数のユーザーにとって味方は思い通りに動かないし、自身の思い通りに動かないから試合に負けたと思い込んでいるのだ。悲しいかな、Twitterでは今日もどこかで晒し上げが行われている。

 

3.不公平なメイン性能アップ

2018年12月5日、ver.4.3.0へのアップデートでメイン性能アップギアが追加された。個人的にはこのギアパワー追加がスプラトゥーン2最大の失敗だったと思っている。メイン性能アップが追加されたことでスプラトゥーン2の環境は一変したと言っても過言では無い。いや実際に激変したのを記憶している。それまでいたマニュコラは消え去り、疑似確プライムが爆誕した。

それにしてもこのメイン性能アップ、実に不公平なギアである。疑似確を手に入れたブキ、射程が伸びたブキ、そして塗りながら進む速度がわずかに上がったブキ。メイン性能アップを付けたフデは結局一度も見ることが無かった気がする。この不公平は他のゲームで例えてみればその異常性が分かるだろう。例えばRPGで「キャラによって付与される性能が異なる装備品」があったとしよう。このキャラでは「アイテムによる回復量アップ」、別のキャラでは「より遠くの敵への攻撃可能」、そのなかでもとあるキャラで「攻撃回数+1」が付与されたら?勿論そのような能力が付与されるのなら、敵側もそれを見越してHPなどを調整するはずである。ところがスプラトゥーン2ではどうか。前作の「攻撃力アップ」に相当するギアが追加されたにも関わらず、メタとして機能するギアが存在しない。相手インク影響軽減が一応疑似確メタとして使用されているが根本的解決にはなっていない。本来ならば防御力アップを実装するべきであったのにイカ研はその必要性に気付かなかったのか。こうして疑似確を持つプライム、デュアル、そして竹が環境に鎮座したのである。疑似確によってキル速を大幅に短縮したために消えていったブキは数知れず、私が使っていたスクイックリンも竹に喰われ続けた。念のために言っておくがスクイックリンは強くない。ランキングに乗っているスクイックラーはバケモノで参考にはならないので、あれをみてスクイックリンが強いとは思わないように。

何にせよ、メイン性能の罪は重い。このギアパワーが追加されるまでは常に環境にマニュコラがいたことを考えると、イカ研はこの固定した環境を変えたかったのかもしれないがそれにしても変化させすぎた。

 

4.まとめ

スプラトゥーン任天堂がリリースした新感覚シューティングゲームであったが、低年齢層には余りにも難しすぎるゲームであったように思う。いいや、平均ウデマエはAだかSと聞いたことがあるし、その辺りのウデマエ帯ではそこまで難しく考えずとも楽しく遊べるのかもしれない。だとしたら「塗れば勝てる」はある意味正しかったのだろう。

さて、私はスプラトゥーン2と楽しめたのだろうか。正直言うと野良が楽しかった記憶はあまり無い。けれども、スプラトゥーン2をきっかけにフレンドと遊ぶ機会に恵まれてリグマプラベ、そして小規模ではあるが大会の開催も行えた。その点で私は存分にスプラトゥーン2を楽しめたのだろう。つい先日、ご丁寧にTwitterで私のアカウントにお気持ちリプを投げてきたユーザーがいた。私のスプラトゥーン2への気持ちはぷっつりと切れてしまったので、今後私がこのソフトを続けることはない。次回作があったら買うかもしれないけれど。

ありがとうスプラトゥーン2。さようならスプラトゥーン2

 

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